暗くて長いは平常運転

読んで不快になってもそこは自己責任ということで

町田樹のGPFは恥ずべきものなんかではない件

GPFも終わって14-15シーズンも折り返し、主要な大会も残す所各国ナショナルと四大陸、ユーロ、そして世界選手権となったわけですが、いやはやジュニアの成長が目覚ましいのとロシア女子の強いこと強いことε-(´∀`; )怖いような楽しみなような複雑な気持ちでいっぱいであります。

 

で、町田樹の話。

毎年のことだけど絶好調でスタートして調子が下がっていくというパターンを続けているわけだけど、今季のGPF決して悪かったわけじゃないと思う。

調子が下がるというか、初戦はじっくり準備することができるけれどシリーズが始まって短期間で世界中飛び回り、時差と戦いピークを作るということがいかに困難を極めるか?ですよね。

陸上長距離の話に飛ぶけれど、毎日何十キロと走っている選手でも10月の出雲、11月の全日本、正月の箱根(予選会がプラスされる場合も)と月1でピークを作ることや疲労から回復することはとても難しいと言ってますからね。

スケートはもっと試合間隔も短いし優雅に見える一方でそれはそれは過酷な競技なんだと改めて感じますね。

で、ですよ。

町田君フリーの技術点56.23、演技構成点75.08、減点3、UR2つ、パンク1、!1、これだけ見たらもう最悪のできと言っても過言ではないし、本人も恥ずべき滑りだったとかなんとか言ってたけど、本当にダメ試合だった?それだけ?

全然そんなことないでしょ!!!!!

早朝にiPhoneでライストを見た。確かにジャンプの失敗は目立ってた。でもその失敗に他の要素が引きずられていたかって言えばそんなこと全くなくて、とてもいい状態でも滑りきるのが難しいと言っていたあのフリープログラムをスピードが落ちることもなく(転倒による体力の消耗も激しかっただろうに!)、とても丁寧に、指先の表現も美しく最後の最後まで手を抜かず滑りきっていたじゃないですか。

ちゃんと輝いてんのスマホの超ちっちゃい画面からでもはっきりわかった。

確かに完璧とは言えない試合だったかもしれないけど過去2回のGPFとは全く違う失敗だったし、なんて強くなったのだろうと演技が終わって一番に思えたから私はそれが単純にうれしかった。

ひゃっほー!とまではいかなかったけどさ。

今季、競技者を辞めなかった以上は表現者としてではなくアスリートとしてやり遂げたいこともあってもっとやれたはずって当然思っただろうし、町田君なりにファイナルに出るにふさわしい演技とはみたいなものもあったはず。だから、恥ずべき云々て気持ちになるのもしかたないのかもしれない。でも今回のGPFからもたくさんの感動や喜びを得たよ!って、むしろフィギュアスケートにおけるジャンプ以外の要素のもつ価値を再認識できたという点においては右に出るものはなかったこと、ファイナルにふさわしい演技だったって伝わるといいんだけども…まあ、そこは心配する必要もないかな。 そんなもん言われるまでもない、ですよね。

13-14シーズンの活躍は目を見張るものだったし、全日本2位・五輪5位入賞・世界選手権2位失敗らしい失敗もなく技術も安定してる、むしろジャンプの失敗は珍しい、そんな気持ちにさせるようなシーズンだったけど…それって町田君のごく一部に過ぎないんだよなぁ。

シニアにあがってなかなか壁を越えられなくて、やっと掴んだファイナルの切符もうまくいかず不調のまま全日本9位。

もう町田樹だめなんじゃない?とかも言われてたっけ。

けど次の年もグランプリシリーズしっかりまとめてファイナルに行けた。ショートはうまくいかなかったけど、フリーでは挽回して火の鳥は会心のできだった。あの時最後に羽ばたいた姿一生忘れないと思う。あのGPFがあったからこそ掴んだ五輪代表、世界選手権表彰台。

今回もGPFの表彰台には届かなかったかもしれないけど、調整がうまくいかないなかでも挑戦することはやめなかったし最後の最後まで町田樹のスケートを貫けた。

爆発的に頂点に上り詰めなくてもいい。今までのように一歩ずつ、失敗を糧に頑強な土台を築いて、願わくば息の長い選手になってほしい。

世界選手権出場も(その力は十分ありながら)そこそこ時間がかかった、でもたどり着けた。GPFの表彰台も、世界選手権の表彰台の真ん中も、時間がかかるかもしれないけど必ずたどり着ける。今すぐじゃなくてもいい、町田君を見ててその辺の根気はついてるし。

失敗なんていくらでもすればいい、ちゃんと立ち上がれるの知ってるし。もしすぐに立ち上がれなかったとしても待つくらいなんでもない。

全日本選手権がどんな結果になるかはわからない。わからないけど後悔のないように、理想とするものに手が届くように、そんなことを願いながら楽しみにしていようと思った。

なので声を大にして言いたい、町田君は恥ずかしくなんかない!と。